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ワクワク人生攻略ブログ

【レビュー】「リップヴァンウィンクルの花嫁」

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「この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ」

微妙に鬱屈とする世界を描かせたら、この監督にかなう人はいない・岩井俊二
そんな岩井監督の最新作「リップヴァンウィンクルの花嫁」を見てきました。以下ネタバレ含むので、注意。
(原作を読んだわけでもパンフレットを買ったわけでないので、台詞回しは所々違います。ご了承ください)

あっさりと出会ってあっさりと結婚しようと思ったらそんなに甘くない

主人公で臨時教員の七海(黒木華)は、SNSで結婚相手と出会います。今の時代、よくある話だと思います。出会った男性は、大学教員。真面目で誠実そうな風貌です。
結納の席で、七海は一つ目の嘘をつきます。
離婚している両親を「離婚していない」ことにして、結納を済ませます。
その後も七海は、旦那が何気なく言った「親戚いないの?じゃ、うちの方の親戚の招待減らそうか」という言葉に「結婚式代理出席便利屋」を利用して、偽装親戚をでっち上げます。
これが「七海が彼を好きで、嫌われたくなくて、仕方なくとった行動」なら見る側は納得いくのですが、彼女の場合、少し違うのです。

七海は「ことを荒立てたくない」だけ

臨時教員をしている中学校でも、声が小さいという「教師には致命的な欠点」を指摘され、契約が打ち切られます。
旦那は「結婚しても臨時教員を続ける」と聞いていたので「なんで俺に相談してくれなかったの?」と問い詰めます。
でも、七海にはそんなのどーでもいいんだと思います。
「契約打ち切りを寿退社にした」ような女性なのです。
「ことを荒立てたくない」ためなら、嘘に嘘を塗り重ねても罪の意識を感じない女性です。

TwitterやLINE的なSNSとして「Planet」というものが映画の中にしょっちゅう出てきます。SNSで知り合ったんだから、旦那も詳しいわけです。
で「クラムボン(七海のハンドルネーム)って知ってる?こいつもSNSで恋人と出会って結婚するらしいんだけど、、『あっさり手に入っちゃった』とか書かれたら俺別れるわー」みたいなことを言われるのです。
計180分の映画内で、七海の結婚話は約60分ですが、序盤でかなりひどい鬱状態に陥ることができます。

便利屋・安室との出会い

結婚式に参列する親戚がいない、とSNSに愚痴る七海。あるフォロワーが「親戚のふりをしてくれる便利屋があるらしいよ」とリプライをします。
そこで安室(綾野剛)と七海は出会います。安室は便利屋兼、俳優と称します。
爽やかなサクラ先生やヤンチャなタツヒコはいません、一番信じたくないタイプの人間・安室を淡々とリアルに演じています。

最後まで見ても「安室は信じていい人なのか?」と私の頭にはハテナが浮かんでいました。この胡散臭い安室をべったり信じる七海に、安室は現実を突きつけます。

「皆川さん(七海の名字)チョコ食べます?(略)僕、皆川さんを1時間で落とせます。皆川さんは僕を見ていない。寄りかかれる誰かを見ているんです」と。

バイトでの真白との出会い

その後七海はすぐに離婚します。荷物をまとめて家を出て、トランクケースいくつかを引きずりながらパニックになる黒木華に「旦那も悪いけど、あんたも悪いじゃん、なんで今いる場所がわからないほどにパニックになるの?なんで胡散臭さ全開の安室を頼るの?」と本気で怒りの感情を持ちました。黒木さんすごい演技力。
離婚した七海は、自分が利用した「結婚式代理出席便利屋」のバイトをやります。その時に姉役になったのが、女優の真白(Cocco)。明るくて自由奔放な真白に惹かれる七海。のちに、安室に紹介されて、真白と七海は同じ「住み込みメイド」の仕事を始めます。

真白と七海のファンタジーは見ていて幸せだった

「絶対に不幸しか待ち受けてない幸せ」でした。
裏があると思って見ていたら、見事に安室さんそうきたかというオチでした。
Coccoの本業は歌手で、女優ではないです。なのにすごい演技力。劇中で歌声が聴けるのもCoccoファンとして嬉しかったです。
どんどん痩せていくストーリーのはずが、最初からやっぱり細いなと思ってしまいます。水槽の前で薬をアルコールでODしていくシーンは、痛々しすぎました。

結局、七海は幸せになれたのか?

この答えは分かれると思います。映画内では度々、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のモチーフが出ており、七海のハンドルネームが途中から「カムパネルラ」になったりします。
彼女の「ほんとうのさいわい」は、結婚することだったのか。真白という親友を見つけることだったのか。安室に頼ることだったのか。彼女が全ての人から精神的に自立しなければ、幸せにはなれないのだと、私は思います。
体力をすごく使うと思うけど、これを舞台で見てみたいな。
2011年に宮本亜門さんが演出された「金閣寺」みたいな感じで。

この世界はさ、本当は幸せだらけなんだよ。

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